これまでの無線通信は半二重通信と言い, 同じチャネル(周波数)上で送信と受信は同時には行うことができないため, 送信と受信は交互に行う通信が一般的でした. しかし, 近年の干渉除去技術の発展により, 同じチャネル上における送受信を同時に行う無線全二重通信が実現しつつあります. 送信と受信を同時に行うことができるため, 通信容量は単純に2倍にすることができます. しかし, 全二重通信機能を有する端末がネットワークとして繋がると, お互いの通信を考えた上で, ちゃんと送受信のタイミングを合わせる必要があり, それを達成できなければ, 全二重通信の性能を100%引き出せません. 全二重通信の性能を100%引き出すことのできる通信のルール(プロトコル)を設計する必要があります.
通信工学研究室では, 無線全二重通信のための最適なMACプロトコル設計およびその理論解析技術の開発に取り組んでいます.